アレルギー科・呼吸器科・内科 さのクリニックTEL.022-291-2680
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● 当院での主な診療内容について
● 当院での主な検査について
● 喘息の治療について


医院ご案内

症状について
当院を受診される患者さんがお悩みの症状のなかで多いものを挙げると、咳、痰、喉の痛み、熱、鼻水、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)、息苦しさ、息切れ、胸の痛みなどです。

病名について
これらの症状から診断できる病気の例として、次のようなものが挙げられます。
 ○気管支喘息
 ○急性上下気道炎 (いわゆる風邪、そして急性気管支炎、肺炎などです)
 ○遷延性・慢性咳嗽 (要するに、咳がしばらく続いているということです。)
   この中には、かぜ症候群後遷延性咳嗽、咳喘息、喉頭アレルギーなども含まれます。
 ○花粉症、アレルギー性鼻炎
 ○食物アレルギー(運動でおこる蕁麻疹も)
 ○肺気腫、慢性気管支炎などの慢性呼吸器疾患

呼吸器、アレルギー疾患を専門としておりますので、それに関連する疾患が多くなっています。また、これ以外の疾患でも、お気軽にご相談下さい。

検査

当院で行っている検査の中から、いくつかご紹介します。
採血
  基本的検査である血液中の赤血球や白血球の算定、また風邪や肺炎時に重症度の指標となるCRPは院内で迅速に測定できます。検査結果に基づいて、最適な抗生物質の選択など、治療の質を高めることができます。


レントゲン
  撮影した画像をコンピューターで処理して、モニターで観察する最新型(CR)を用いています。そのため、フィルムのレントゲンよりも、早く結果をご説明できます。また大病院並みの画質で、細部まで観察することができます。

肺機能検査
 いわゆる肺活量を測る検査です。肺の大きさの指標である肺活量だけでなく、気道が狭くなっているかどうか(一秒量)なども同時に測定できます。肺の病気、特に喘息や咳が長引く場合には欠かせない検査です。

その他
 順次、追加します。
 

 

治療

【もくじ】
1.気管支喘息の治療について
  ●吸入ステロイドについて
  ●吸入ステロイドで喘息死が減った
  ●発作をおこすと、吸入ステロイドの弱点がわかる?
  ●速効性のロイコトリエン受容体拮抗薬と気管支拡張剤の活用
  ●急場をしのいだら、吸入ステロイドで安定を
 2.長引く咳の治療



1.気管支喘息の治療について

吸入ステロイドについて
 喘息の治療で最も優れている薬は、吸入ステロイドという薬です。
 ステロイドと言うと、副作用を心配される人も多いでしょうが、その心配はいりません。この吸入ステロイドは肺の中で喘息を鎮めてくれたあとすぐに分解されるので、他の組織では副作用が起きません

吸入ステロイドの種類
 吸入ステロイドと呼ばれる薬には何種類かあります。代表的なのは、フルタイド、パルミコート、キュバールです。今年6月には、新しくアドエアー、オルベスコも発売になりました。少しずつ違いもありますが、どの吸入ステロイドもとても良く効きます。カゼ薬にも、イブとかベンザとかいろいろありますが、どれをとってもそれなりに効くようなものです。いや、カゼ薬よりも、吸入ステロイドの方がはるかに効きますよ。

吸入ステロイドで喘息死が減った
 怖いことですが、日本で1年間に3000人弱が喘息でお亡くなりになっています。でも、この10年間ほどで、喘息死は約半分に減ってきているのです。喘息死の減少は、吸入ステロイドのおかげであることが分かっています。吸入ステロイドはこのようにとても良く効きます。一度試してみてはいかがでしょうか?
 吸入ステロイドのすばらしさについては、後日詳述しますが、先を急いでいらっしゃるかたは、ネットで検索してみて下さい。読み切れないほど、引っかかりますよ。

発作をおこすと、吸入ステロイドの弱点がわかる?
 吸入ステロイドの絶大な効果については良く説明されています。しかし、その弱点、そしてなぜあまり人気がないかについては、余り知られていません。
 それを知るために、喘息を患って医療機関を受診する患者さんの気持ちになってみましょう

 喘息を患っている人の多くは、普段喘息の症状はありません。
  しかし、台風や低気圧が近づいてくる前、季節の変わり目、カゼをひいた時などに、喘息の症状が出ます。
 典型的な喘息症状は、睡眠中、特に明け方、息が苦しくなって、目が覚めてしまうというものです。いわゆる喘息発作です。咳も出るし、痰も絡みます。横になっていられないので、座ったり立ったりした方が楽です。
 不思議なことに、医療機関に来る頃には、不思議なほど症状が消失しますね。

 さて、夜に辛いから医療機関を受診した人が、吸入ステロイドを使いはじめたら、どうなるでしょうか?その日の夜からゆっくりと眠れるでしょうか? ?

 答えは、Noです。それは、吸入ステロイドは、すぐに効かないからです。 その効果を実感し始めるには、早くても2−3日かかります。

 では、その2−3日、吸入ステロイドだけでがんばれますか?

 これも、答えはNoです。辛いから医療機関を受診したのですから、患者さんの気持ちとしては、今夜から楽になりたいと思って来院されたはずです。それなのに、薬が効き始めるまでに2−3日も待つのでは、とっても長くて、待ちきれませんよね。

 特に、初めて受診した医療機関から処方された薬だったら、なおさらです。『効くから吸っていなさい』って先生から言われたけれど、すぐに効かないのはその医者がヤブ医者だからじゃ無いだろうかなんて考え出すと、不安感が強まって、発作が一層苦しくなります。そうすると、次の日は、もっと良い先生を求めて、違う医療機関へ行きます。

 このような患者さんの気持ちに答えてあげながら、吸入ステロイドを使うには、どうすれば良いでしょうか?

速効性のロイコトリエン受容体拮抗薬と気管支拡張剤の活用
 簡単なことですが、速効性の薬を併用すれば良いのです。
 その一例が、気管支拡張剤(β2刺激剤)やテオフィリン(テオドールなど)です。昔から喘息の治療薬として使われています。早く効きますし、効果も十分です。
 ただ、ちょっと注意が必要です。初めて使った人では、副作用が出てしまうことも時にあります。動悸、手の震え、頭痛、吐き気などです。薬が効いている証拠とだと思えば、我慢できないこともありませんが、心の準備もなく副症状が出てしまうと、薬を続ける気が無くなってしまいます。

 速効性の薬には、ロイコトリエン受容体拮抗薬(オノン、シングレアなど)もあります。この薬は、とても良く効きますし、なによりも副作用がほとんどありません。年齢の若い方、あるいは喘息を発症してまだ年数が経っていない患者さんほど、著効を示す印象を持っています(あくまで私の印象ですが)。
 気管支拡張剤やロイコトリエン受容体拮抗剤を併用すれば、使い始めた日の夜(〜翌日の未明)には、喘息症状が良くなっているのを実感できるでしょう。

必要な時にはステロイドの点滴を
 しかし、中には、気管支拡張剤やロイコトリエン受容体拮抗剤を使っても、十分効果が得られない事もあります。喘息の状態が思ったよりも重かったり、あるいはひいていた風邪の具合が悪かったりした場合などです。そう言う時には、ステロイドの点滴が良いでしょう。ステロイドの点滴は強力です。これを上回る薬はありません。
 それだけ、副作用にも注意が必要です。特に、風邪などの気道感染を併発している喘息発作は、ステロイド点滴でも効果が表れにくいです。こういう時には、ダラダラと連日点滴しないのが良い方法です。必要な量を、短期間点滴するのがコツです。

急場をしのいだら、吸入ステロイドで安定を
 このようにして、辛い症状を抑えられたら、次には吸入ステロイドを継続して、喘息の安定を図りましょう。喘息が良くなるだけでなく、風邪をひく回数も激減するのを実感できます。

ここまで、いかにも簡単そうに書きました。でも、実際には、患者さんは一人一人症状が違います。初対面の患者さんから病歴を伺って、診察して、喘息の重症度を判定して、即座に適切な治療法を決めるには、かなりの熟練が必要なのですよ。


2.長引く咳の治療
 最近、咳だけ続く人が増えています。普段元気に活躍されている人が、熱も無く、咳だけを長く患っている場合、喘息、咳喘息、アトピー咳嗽、喉頭アレルギー、風邪症候群後遷延性咳嗽などが考えられます。
 診断のためには、症状を詳しくお話頂くことが一番大切です。細かいことを根掘り葉掘り聞かれるように感じる方もいるかも知れませんが、その中に診断のためのヒントが隠されています。検査としては、肺機能検査が最も重要です。レントゲン撮影や採血が必要となることもあります。
 ただ、 これらの疾患を正確に鑑別することは、事実上無理です。また、臨床の現場、特に診療所ではその必要もありません。なぜなら、そこまで区別しなくても、咳を良くすることができるからです。
 治療ですが、普通の咳止めはあまり効かないことが多いようです。いわゆる痒み止め、鼻水止めの薬(抗ヒスタミン剤)が一部の咳に効きます。あるいは、気管支拡張剤が効く場合もあります。これらの薬剤が効かないほど咳が強い時には、吸入ステロイドが有効です。吸入ステロイドは、喘息に治療薬として使われますが、咳が長引いている場合にも良く効きます。
 なお、ここに記載したことは、例えば肺炎や結核など他の病気が無いという仮定を前提としています。「咳が続いているので咳喘息だ」とか自己判断して医療機関の受診を遅らせてしまうと、結果的に重大な病気を見逃すことにもなりかねません。ここでの説明はあくまで参考とするにとどめ、まず専門医の診察・診断を受けてくださいね。

(つづく)


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