〒983-0812 仙台市宮城野区小田原弓ノ町100-1
アンサンブル・メディカルビル4F
TEL.022-291-2680

2025年12月9日更新

診療内容

症状について

当院を受診される患者さんがお悩みの症状のなかで多いものを挙げると、咳、痰、喉の痛み、熱、鼻水、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)、息苦しさ、息切れ、胸の痛みなどです。

病名について

これらの症状から診断できる病気の例として、次のようなものが挙げられます。

  • 気管支喘息
  • 急性上下気道炎 (いわゆる風邪、そして急性気管支炎、肺炎などです)
  • 遷延性・慢性咳嗽 (要するに、咳がしばらく続いているということです。)
  • 花粉症、アレルギー性鼻炎
  • 食物アレルギー(運動でおこる蕁麻疹も)
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • 肺気腫、慢性気管支炎などの慢性呼吸器疾患 

呼吸器、アレルギー疾患を専門としておりますので、それに関連する疾患が多くなっていますが、これ以外の下記の疾患でも、積極的に新しい薬剤を使用できる準備を整えております。お気軽にご相談下さい。

  • 高血圧症
  • 脂質異常症
  • 糖尿病(SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬の処方も対応しております)
  • 睡眠時無呼吸症候群

検査

当院で行っている検査の中から、いくつかご紹介します。

採血

血液中の赤血球や白血球の数を調べる血球算定、風邪や肺炎などの炎症の程度を示すCRP(C反応性蛋白)などの基本的な検査を行っています。生活習慣病では、血糖値やHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)による糖尿病の検査、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)やHDLコレステロール(善玉コレステロール)、中性脂肪による脂質異常症の検査も実施しています。また、慢性腎臓病の早期発見のために重要な尿たんぱくの定量測定に加え、通常の尿検査では検出できない微量アルブミン尿の検査も可能です。これらの検査結果により、病気の早期発見や適切な治療選択を行うことができます。

レントゲン

撮影した画像をコンピューターで処理して、モニターで観察する最新型(CR)を用いています。そのため、フィルムのレントゲンよりも、早く結果をご説明できます。

肺機能検査

いわゆる肺活量を測る検査です。肺の大きさの指標である肺活量だけでなく、気道が狭くなっているかどうか(一秒量)なども同時に測定できます。肺の病気、特に喘息や咳が長引く場合には欠かせない検査です。

呼気NO検査

FeNO検査(呼気一酸化窒素検査) 息を吐いて行う簡単で痛みのない検査です。喘息の方の気道には炎症があり、その際に「一酸化窒素」という物質が多く作られます。約10秒間、専用の機械に向かって息を吐くだけで、気道の炎症状態を数値で正確に評価できます。結果はすぐに表示されます。喘息の診断の補助や治療効果の確認に欠かせない検査として、2013年から保険適用されています。

感染症迅速検査

インフルエンザ、COVID-19、百日咳の迅速検査を実施しています。短時間で結果が判明するため、症状に応じた適切な治療を速やかに開始することができます。百日咳やマイコプラズマについては、長引く咳の原因として注目されており、イムノクロマト法による抗原検査で迅速診断が可能です。また、時間が経過した百日咳は抗原検査では診断ができませんが、当院では血液検査による抗体検査(抗PT-IgG抗体)も実施でき、総合的な診断により早期発見と適切な治療、感染拡大の防止に努めています。

その他

順次、追加します。

治療内容

  1. 気管支喘息の治療について
  2. 長引く咳の治療

1.気管支喘息の治療について

喘息治療でお悩みの方へ

吸入ステロイドについて

喘息の治療で最も優れている薬は、吸入ステロイドという薬です。
ステロイドと言うと、副作用を心配される人も多いでしょうが、その心配はいりません。この吸入ステロイドは肺の中で喘息を鎮めてくれたあとすぐに分解されるので、他の組織では副作用が極めて少なく抑えられます

吸入ステロイドの種類

現在、喘息治療に使用される吸入ステロイドには多くの優れた選択肢があります。日本で処方される代表的な薬剤には、パルミコート、フルタイド、キュバール、オルベスコ、アニュイティなどがあります。喘息の病態やコントロール状況に応じて、吸入ステロイドと長時間作用性気管支拡張薬を組み合わせたシムビコート、アドエア、レルベア、アテキュラなどの配合剤を使用します。さらに十分なコントロールが得られない場合には、3つの有効成分を組み合わせたテリルジー、エナジアという最新の治療選択肢もあります。これらは従来の治療では十分な効果が得られない患者さんにとって、大変有効な治療法です。

薬剤によって吸入器具も様々です。使いやすさを重視したエリプタ、確実な吸入を音で確認できるブリーズヘラー、軽い力で操作できるタービュヘイラーなど、患者さんに最も適した器具を選択いたします。薬剤により少しずつ違いもありますが、どの吸入ステロイドもとても良く効きます。カゼ薬にも、イブとかベンザとかいろいろありますが、どれをとってもそれなりに効くようなものです。

喘息・吸入薬トラブル解決ガイド:あなたに最適なデバイスと薬剤の選び方

吸入ステロイドで喘息死が減った

怖いことですが、過去に日本では1年間に7253人が喘息でお亡くなりになっています。でも、この30年間ほどで、喘息死は大幅に減ってきているのです。厚生労働省の人口動態統計によると、2023年の喘息死亡者数は1089人とされています。 喘息死の減少は、吸入ステロイドのおかげであることが分かっています。吸入ステロイドはこのようにとても良く効きます。一度試してみてはいかがでしょうか?

発作をおこすと、吸入ステロイドの弱点がわかる?

吸入ステロイドの絶大な効果については良く説明されています。しかし、その弱点、そしてなぜあまり人気がないかについては、余り知られていません。
それを知るために、喘息を患って医療機関を受診する患者さんの気持ちになってみましょう。
喘息を患っている人の多くは、普段喘息の症状はありません。
しかし、台風や低気圧が近づいてくる前、季節の変わり目、カゼをひいた時などに、喘息の症状が出ます。
典型的な喘息症状は、睡眠中、特に明け方、息が苦しくなって、目が覚めてしまうというものです。いわゆる喘息発作です。咳も出るし、痰も絡みます。横になっていられないので、座ったり立ったりした方が楽です。
不思議なことに、医療機関に来る頃には、不思議なほど症状が消失しますね。

さて、夜に辛いから医療機関を受診した人が、吸入ステロイドを使いはじめたら、どうなるでしょうか?その日の夜からゆっくりと眠れるでしょうか??

答えは、Noです。それは、吸入ステロイドは、すぐに効かないからです。 その効果を実感し始めるには、早くても2-3日かかります。

では、その2-3日、吸入ステロイドだけでがんばれますか?

これも、答えはNoです。辛いから医療機関を受診したのですから、患者さんの気持ちとしては、今夜から楽になりたいと思って来院されたはずです。それなのに、薬が効き始めるまでに2-3日も待つのでは、とっても長くて、待ちきれませんよね。

特に、初めて受診した医療機関から処方された薬だったら、なおさらです。『効くから吸っていなさい』って先生から言われたけれど、すぐに効かないのはその医者がヤブ医者だからじゃ無いだろうかなんて考え出すと、不安感が強まって、発作が一層苦しくなります。そうすると、次の日は、もっと良い先生を求めて、違う医療機関へ行きます。

このような患者さんの気持ちに答えてあげながら、吸入ステロイドを使うには、どうすれば良いでしょうか?

速効性のロイコトリエン受容体拮抗薬と気管支拡張剤の活用

簡単なことですが、速効性の薬を併用すれば良いのです。
その一例が、気管支拡張剤(β2刺激剤)やテオフィリン(テオドールなど)です。昔から喘息の治療薬として使われています。早く効きますし、効果も十分です。
ただ、ちょっと注意が必要です。初めて使った人では、副作用が出てしまうことも時にあります。動悸、手の震え、頭痛、吐き気などです。薬が効いている証拠とだと思えば、我慢できないこともありませんが、心の準備もなく副症状が出てしまうと、薬を続ける気が無くなってしまいます。

速効性の薬には、ロイコトリエン受容体拮抗薬(オノン、シングレアなど)もあります。この薬は、とても良く効きますし、なによりも副作用がほとんどありません。年齢の若い方、あるいは喘息を発症してまだ年数が経っていない患者さんほど、著効を示す印象を持っています(あくまで私の印象ですが)。
気管支拡張剤やロイコトリエン受容体拮抗剤を併用すれば、使い始めた日の夜(~翌日の未明)には、喘息症状が良くなっているのを実感できるでしょう。

必要な時にはステロイドの点滴を

しかし、中には、気管支拡張剤やロイコトリエン受容体拮抗剤を使っても、十分効果が得られない事もあります。喘息の状態が思ったよりも重かったり、あるいはひいていた風邪の具合が悪かったりした場合などです。そう言う時には、ステロイドの点滴が良いでしょう。ステロイドの点滴は強力です。これを上回る薬はありません。
それだけ、副作用にも注意が必要です。特に、風邪などの気道感染を併発している喘息発作は、ステロイド点滴でも効果が表れにくいです。こういう時には、ダラダラと連日点滴しないのが良い方法です。必要な量を、短期間点滴するのがコツです。

急場をしのいだら、吸入ステロイドで安定を

このようにして、辛い症状を抑えられたら、次には吸入ステロイドを継続して、喘息の安定を図りましょう。喘息が良くなるだけでなく、風邪をひく回数も激減するのを実感できます。

ここまで、いかにも簡単そうに書きました。でも、実際には、患者さんは一人一人症状が違います。初対面の患者さんから病歴を伺って、診察して、喘息の重症度を判定して、即座に適切な治療法を決めるには、かなりの熟練が必要なのですよ。

生物学的製剤について

重症喘息に対する新しい治療選択肢として、生物学的製剤(バイオ製剤)が登場しています。従来の吸入ステロイドや複数の薬剤を使用しても症状が安定しない重症喘息患者さんに対し、特定の炎症物質を狙い撃ちする注射薬です。

生物学的製剤の特徴

バイオテクノロジー技術によって作られた「抗体」を主成分とした薬剤で、喘息の根本原因であるアレルギー反応や気道炎症を引き起こす物質の働きを直接阻害します。従来の対症療法とは異なり、ターゲットをしぼった治療効果が期待できます。 現在、日本では5種類の生物学的製剤が承認されており、患者さんの喘息のタイプやバイオマーカーに応じて選択します。主な薬剤には、ゾレア®、ヌーカラ®、ファセンラ®、デュピクセント®、テゼスパイア®があり、それぞれ異なる作用機序を持っています。

生物学的製剤での治療について

事前の検査で喘息のタイプを詳しく調べ、最適な薬剤を選択します。注射は2~8週間に一度のペースで行い、一部の薬剤では在宅での自己注射も可能で、安定していれば3か月に1回程度の受診になる患者様もおります。適切な治療により、喘息症状の大幅な改善や臨床的寛解を目指すことができます。 生物学的製剤は高額な治療ですが、健康保険の適用と高額療養費制度により負担軽減が可能です。従来の治療でコントロールが困難な重症喘息でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

2.長引く咳の治療

ぜんそくと長引く咳の最新ガイド

最近、咳だけ続く方が増えています。普段元気に活躍されている方が、熱もなく咳だけを長く患っている場合、喘息、咳喘息、アトピー咳嗽、喉頭アレルギー、感染後咳嗽などが考えられます。
診断のためには、症状を詳しくお話いただくことが最も大切です。細かいことを根掘り葉掘り聞かれるように感じる方もいるかもしれませんが、その中に診断のためのヒントが隠されています。検査としては、肺機能検査が最も重要です。レントゲン撮影や採血が必要となることもあります。
通常の咳止めはあまり効かないことが多いようです。いわゆる痒み止め・鼻水止めの薬(抗ヒスタミン剤)が一部の咳に効きます。あるいは、気管支拡張剤が効く場合もあります。これらの薬剤が効かないほど咳が強い時には、吸入ステロイドが有効な場合もあります。吸入ステロイドは、喘息の病態が潜んでいる場合には良く効きます。逆流性食道炎が原因で咳が出ている場合には、胃酸抑制薬が効果を示します。ただし、数日程度の服用では効果が出ないことに注意が必要です。

難治性慢性咳嗽に対する新しい治療選択肢

上記の標準的な治療を十分に行っても咳が続く難治性の慢性咳嗽に対して、リフヌア®錠(ゲーファピキサント)という新しい治療薬が使用できるようになりました。この薬は咳に関わる神経(P2X3受容体)に直接働きかけることで、咳そのものを抑える効果が期待できます。
ただし、副作用として味覚障害(苦味、金属味、塩味など)が高い頻度で報告されており、患者さんの約6割に何らかの味覚関連の症状が現れる可能性があります。多くは軽度から中等度で、投与開始後9日以内に発現し、投与中または中止により改善するとされていますが、この点については事前に十分ご説明した上で使用を検討します。

重要な注意点

ここに記載したことは、肺炎や結核など他の重大な病気がないという前提に基づいています。「咳が続いているので咳喘息だ」と自己判断して医療機関の受診を遅らせてしまうと、結果的に重大な病気を見逃すことにもなりかねません。長引く咳は、肺がんや間質性肺疾患など生命に関わる疾患、結核など公衆衛生に関わる疾患の症状である可能性もあるため、まず専門医による適切な診察・診断を受けることが何より大切です。